一目惚れから始まる恋、というのは世間一般からすれば素敵な恋愛であるらしい。
恋は理性的ではなく本能的なものであり理屈を超えて行われるべきだ、ということだろうが見た目100%から始まる恋の何が素敵なのか分かったものでは無い。
運命の人と言えば聞こえはいいが、ただその辺で出会っただけのことを運命と呼ぶのは運命がかわいそうだ。せめて引っ越した幼馴染と十数年来に全く別の場所で出逢うぐらいの運命力が無ければとてもじゃないが運命の人とは呼べない。
運命の人では無い、ということは必然性が無い。AさんがBさんに一目惚れをしたからといって、それはCさんに一目惚れしないということでは無い。むしろ35億人の異性の内一人だけにしか一目惚れしないほうが不自然だ。だってそれは運命の人じゃなく、見た目が好きな人なだけだから。
まあ実際には見た目だけでキャーキャー言ってるのではなくて、なにか、こう、本能が反応して一目惚れするのだろうが関係ない。本能には一人パートナーを見つけたら他の人に興奮しなくなる機能なんざ備わっていない。
一目惚れをする人は見ただけで人を好きになれる。人を好きになるのに一切の過程を伴わない。
そりゃあ二人に一目惚れしたら二人とも本気で好きになるにきまっている。
時間をかけなきゃ本気で好きになれない人と見ただけで本気で好きになれる人。
どちらの方が不倫しやすいかなんて言うまでもない。
むしろ一番不倫する確率が高いとも言えるのではないだろうか。