「一人の為に、全てを滅ぼす」
NieR Replicant(ニーアレプリカント)というゲームのキャッチコピーである。
この「一人」というのは主人公の妹を指している。
一見何かカッコいいことを言っているようにも思えるが、これは「自分の為に全てを滅ぼす」と言っているのとなんら変わらない。
別にこれはこの文章に限ったことでは無いが、特定の一人の為に行動するのと自分の為に行動するのはなんら論理的に違いは無い。一人が得をして、他が損をする。息子のために一億円着服するのは自分の為に一億円着服するのと何が違うというのだろうか、という話だ。
もちろん、心理的な違いはあるだろう。利己的になるのは誰でも出来るが、利他的になるのはそれほど簡単では無い。
だが、簡単では無いから何だというのだろう。社会に与える影響には全く変化は無い。結果を見れば利己的な行為と全く同じだ。
同情や共感の余地があろうと関係ない。
社会の為にならない行為は社会から非難されて然るべきだ。
あるいは、社会の為に行動しても より大きな社会から非難されるだけかもしれないが。
つまるところ、友人関係というあまりに小さな「社会」の為に行動してしまったがための非難は引き受けるべきだ。