人はよく他人と比べたがるがそれは本能的なものである。
人間の本能が絶対的評価をせずに相対的評価を好む(=他人と比べたがる)理由は二つある。
参考↓
一つが判断に必要な情報量、もう一つが劣等感の感じやすさである。
①判断に必要な情報量
相対的評価をするには比較ができれば十分である。即ち、AとBがある時どちらが優れているかを判断するだけで十分である。
それに対して絶対的評価をする為にはAとBのどちらがどれだけ優れているかまで判断しなければならない。何故なら絶対的評価をする為には数値化をすることが不可欠だからである。まさか特定の一つのことが出来るかどうかで判定するわけにはいかず、チェックシート方式やテスト点数方式になる。数値化せず(悪い意味で)適当に判断をするのでは明確な一線を引く事が出来ず、説得力に欠ける。
つまり相対は比較だけできればいいが、絶対は数値化という比較の上位の概念が必要になる。そのため判断に必要な情報が絶対の方が多いのである。
よって理性より扱える情報量が少ない感情・本能では相対的評価をしがちなのである。
なお他人の体重は気軽には知れない為、AとBのどちらが優れているかも判断できない。その為ダイエットは数値目標(絶対的な目標)になることが多い。このような場合は絶対的評価がよく使われる。そもそもダイエットしたい理由が他人と比べた結果なので実質相対的にも思えるが…。
②劣等感の感じやすさ
以下の観点で絶対的と相対的を比べる。
よって人は本能で強く劣等感を感じる方を選択するものとする。
その観点で見れば当たり前の話だが数値目標に負けるより他人に負ける方が劣等感を感じる。これは上でも述べたように「優劣」ならともかく「数値」と言う概念が人の本能が扱うには複雑すぎるものだと言うのが原因である。また、人に負けると言うことは自分の代替可能性が高いことを意味する。つまり自尊心を直接損うのである。
これより相対的評価をした方がより劣等感を感じる為成長しやすい。但しそもそも 成長する必要のある能力なのか とか 優先順位 の問題もあり、相対的評価をした方が良いわけではないことには注意すべきである。
特にオリンピックで金メダルを取った選手などはそうだが、相対的価値観では一番になってしまえば劣等感を感じる余地が無く成長欲求が湧かないことは特筆に値する。自分で自分を高めようとする絶対的価値観を持たなければ1番になる以上の価値は存在しないからだ。