厳しい環境の中でも耐え抜けるように人は常に成長する事を求められた。(もちろん現代ではそれほど成長する事を必要としないが)
人は成長する必要があるのであり、その為に人は成長する必要性に迫られなければならない。即ち人は自分が何かしら劣った存在であると感じているべきなのである。
そうすれば自尊心によって人は成長しようと感じるだろう。つまり人は劣等感を感じる必要がある。
つまりこういうことである。人間の本能として、
・幸福になりたいという欲求
・何か欠けているもの(物体・能力・名誉など)を探し、それがないことに不幸を感じる
の二つがある。
したがって人は幸福になろうとすると成長してしまうシステムが出来上がっているのである。そして欠けているものを満たしても人は新たに欠けているものを見つけてしまい、不幸になるのである。なぜなら満たされてしまえば成長しなくなるからである。それはヒトの根源的本能である生存本能に矛盾する。
種族としてのヒトが文明を築く以前ならばこの「幸福を求めると生存に有利になるシステム」が有効であったが、現代においては別にいくらでも生きられてしまうのであまり意味がないただ不幸になるだけになってしまっている。一応このシステムのお陰で人は努力できる節もあるのだが…。