ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場する思考能力であり、物語の中核をなす概念。それは「相反し合う二つの意見を同時に持ち、それが矛盾し合うのを承知しながら双方ともに信奉すること」である。作中の例でいえば、舞台となっている全体主義国家では民主主義などは存立しえない、という事実を信じながら、なおかつ、国家を支配する「党」が民主主義の擁護者である、というプロパガンダをも同時に信じることを指す。
「1984年」内では二重思考とは、2+2=4だと信じながら同時に2+2=5だとも信じる能力とされている。
……うん、いや、ねーよ。
と思ったそこのあなた。そんなことはありません。この能力は現実に存在しています。
その実例を見つけたので紹介します。
アムーde離婚:ディシュドロップデモ(その1) - livedoor Blog(ブログ)から引用します。
なおこの記事は夫の一人称視点による語り口調です。
妻がアムウェイ(詳しくはググれ、簡単にいうと悪徳商法会社)の高級洗剤の性能を夫に示そうとする話です。
(前略 妻がこれからアムウェイ製洗剤の性能を示して見せようと言い出す)
そういや結婚前に
嫁「アムウェイってさ薄めた洗剤と濃い原液で商品比較して買わすんだって!」
俺「あー見た事あるある んとああいう奴らってモラルの欠片もないなー」
嫁「でもさ 騙される方も騙される方よね~~」なんかセピア色の走馬灯が俺の脳内で溢れかえってた・・・
で
うんこショー開催
嫁「鏡に油ぬってと・・・今から食器洗剤のデモするねー」
だめだ やばい
俺を笑い殺す気か
アムって人の記憶海馬までも蝕んでしまうのか?
恐ろしい子(引用者注:もちろん上述の結婚前エピソードのくだりをやったのになぜかまたアムウェイ製洗剤の効力を示そうとする妻を揶揄している)
鏡に油垂らす
↓
ディシュドロップ(アム洗剤)かけると ザバーって汚れ落ちる
↓
市販の洗剤かけたら ドロドロして水かけても落ちない
↓
アム洗剤サイコーでしょ?な一連のお遊戯鑑賞
知らない奴は今時殆ど居てないと思うけど一応トリックの説明しときます
予めアム洗剤は水で薄めておきます市販洗剤は原液のまま使用します。
トリック説明終わり たったのコレだけ(笑)あたりまえだけど 市販洗剤は水分ないんでドロドロになりディシュドロップは水分含んでるんでザーーっと洗い流せます。
逆にすれば(アム原液市販洗剤水で薄める)アムはドロドロ市販洗剤はスッキリ洗い流せます。
俺「・・・・・・」
嫁「凄いでしょ? 市販洗剤だとこんなのが食器に残ってるんだよ」
とにかく 常識のある理屈を吐いてみる
俺「つかさ ディシュドロップは水で薄めて市販洗剤は原液なんだろ?」
嫁「えーーと アムは使用時に水で薄めて使ってください って書いてるもん」
俺「で? その手に持ってる市販洗剤にはなんて書いてある?」嫁「あれーーー??水で薄めて使用してください・・」
妻の主張をまとめて見ます。
・アムウェイは薄めた洗剤と濃い原液で比較して買わすけど騙される方が悪い
・薄めた洗剤と濃い原液で商較してアムウェイの方が綺麗なのでアムウェイは凄い
えーと、つまり?
・アムウェイは相手を騙して買わすけど騙される方が悪いと思うし、私は騙されてる
………???
いや、ごめんなさい。何言ってるか分かんないです。
ただ、自分はこういう二重思考のパターンを知ってる(ていうか自分が実際に二重思考をしてることに気づいたことがある)ので、説明します。
妻の主張を分解します。
①アムウェイは濃度トリックで自社商品のすごさを説明する
②濃度トリックは騙しである
③騙される方が悪い(のでアムウェイは悪くない)
④濃度トリックよりアムウェイは凄いと私は思う
面倒臭いので濃度トリックをXとします。
①アムウェイはXなので凄いと自称する
②でもXは騙しである
③騙される方が悪い(のでアムウェイは悪くない)
④Xよりアムウェイは凄いと私は思う
②と④が思いっきり矛盾しているように見えますが、実はそうではありません。
人間の脳はコンピューターのように完璧ではなく、ある程度のムラがあります。
ひどく抽象的な例で申し訳ないですが、「AとBって実は同じものだったんだ!」と言うことが誰しもあると思います。
つまり人は全く同じものを別物だと認識できるわけです。
要するにこうです。
①アムウェイはX1なので凄いと自称する
②でもX1は騙しである
③騙される方が悪い(のでアムウェイは悪くない)
④X2よりアムウェイは凄いと私は思う
これなら全く矛盾しません!①②の濃度トリックと④の濃度トリックは実は別物だったのです!
…えぇ。
いや、自分も二重思考したことがあるから文句言えないけど、えぇぇ。
つまりA=Aだと気づけないんですね。
なんか、脳の別の領域に置いてあるから名前が同じでも同一概念とは思えない、みたいな。
あるいは脳内でのその概念の印象が薄いから近い位置にあっても矛盾してることに気づかない、とか。
例えるなら偶然同姓同名の人がいて、両方ともあまり親しくないから経歴を少しづつしか知らなくてごっちゃになってることに気づかない、みたいな?これは2人を1人と誤認した話だけど二重思考だとなぜか1人を2人に誤認してる感じ、で伝わりますかね?
実例その2の記事ではもう少し分かりやすい例を出せると思います。
その2「ケーキの切れない非行少年」編、お楽しみに!
P.S.続編書いた