反社会的思考のススメ

【反社会的】[形容動詞]社会の道徳や規範から大きく外れているさま。 道徳、常識、法律、そういうものを超えた考え方を勧めたい。…勧めたかった。多分2019年11月は真面目に更新できてます。ブログ名詐欺な気はしないでもない。最近は毎日更新してるから仕方ない。 ←何言ってんだこいつ。数年後に見たらむっちゃ恥ずかしいこと言ってんな

選挙に行くと 「損」 をする理由

誰も言わないのではっきり言ってしまいます。

国政選挙に行くと「損」をします。

何故ならあなたの一票はたった一票の価値しか無いからです。

当たり前の話ですがあなたが投票しようがしまいが他の人が投票するかしないかは変わりません。

一票に意味があるのは当落を争う二人が同票だった時だけです。

参議院で最も一票の価値が重いのは福井県ですが、有権者65万人で定数は2人です。*1

つまり少なめに見て30万人につき1人です。この票がちょうど15万人と15万人に別れた時にのみあなたの一票は意味を持つのです。そんなことが果たして現実的に起こりえるでしょうか?

 

そんなことは両候補者の魅力が同程度だったとしても500回に1回の確率でしか起こり得ません。*2

しかも両候補者の魅力が同程度ということはどちらが当選しても問題ないということになるため意味がありません。

もし一方の魅力が少しでも上回っていれば意味がありますが、その時は他の人が魅力の強い方へ投票するのであなたがわざわざ投票する意味はありません。大数の法則というやつです。*3

そして仮に、運命的に、奇跡的にあなたの一票が当落を分けたとて、所詮当選者が1人変わったに過ぎないのです。その1人が過半数になるかならないかの瀬戸際でもない限り、その1人はあなたの生活をなんら変えることはないでしょう。

 

そんな宝くじで一等を当てるような運を持ってしなければ意味を成さない一票に意味はあるのでしょうか?

その一票のために、候補者の政策を調べ、その是非を考え、投票箱の前にわざわざ並ぶ意味はあるのでしょうか?

 

もちろん、あなたが政策を一瞥しただけで誰に投票するかを決められるというのなら、特にリスクがないからという消極的理由で投票する意味はあるかもしれません。

しかし、あなたが政治に明るくないのならば手間暇をかけて政治に参加する意味などあるのでしょうか?

 

組織票に対抗するために投票するんだと言う人も居ますが、そんなことは関係ありません。

だって組織票もそうでない票もあなたには動かせないからです。あなたはあなたの投票先しか選べないのです。だからあなた以外の人の投票は既に決まっているも同然なのです。あなた以外の票全てが組織票といってもいいのです。

私が投票しなかったら私と同じ思考回路の人も投票しなくなるからダメという方もいるかもしれません。

しかしそれは「善人の論理」です。「善人の論理」というと聞こえがいいですが、つまり「私以外の人も私と同じことをすることを前提とした論理」のことです。これは現実に即していません。あなたが投票しようがしまいが他の人は投票する思考回路の人だけ投票して投票しない思考回路の人は投票しないだけです。つまり他の人の投票内容はあなたが投票するかしないかと関係無く決まります。

その理屈なら誰も投票せずに投票率が0%になるという人もいるでしょう。

現実に0%になっていないので問題ありません。むしろ本来は投票率が一度は0%になってしかるべきです。「この前は投票率0%だったから今回は投票してみようかな」「いや俺は反動で投票率は伸びると思うから遠慮しとくね」という会話があってこそそれは本当の意味で「合理的な判断」と言えるでしょう。

 

もちろんこのような選挙が望ましくないことは明らかですが、現実に合理的な行動を取るとそうなってしまうのです。そして実際そうなっています。過去の風習を受け継ぐ老人が選挙に参加し、合理的に物事を考える若者が選挙に参加しない。これも至極当たり前のことと言えるでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:福井県選挙区 - Wikipedia を参照 ウィキペディアを無闇に参照するのは良く無いが今回は問題ないだろう

*2:ここでは「両候補者の魅力が同程度」とは全員が50%の確率で一方に、50%の確率で他方に投票すると言う意味。スターリングの公式を用いて近似すれば 1÷√(150000π) = 0.00145673124079 多めに見て0.002% なお一票差の時にも投票に意味があるとすればこの確率は2倍になるようにも思えるがそもそも「同票ならくじ引きで当選を決める」のでその一票は候補者が当選する確率を50%しか引き上げない よって確率が2倍でも望んだ候補者を推薦すると言う点では効果は元から半減なので「投票したことによって選んだ候補者が選ばれるようになる確率」は事実上0.002% さらに加えて言うならこの計算は投票率100%を前提としているが仮に50%でも0.00206012907746%なので変わらない

*3:魅力がある方に51%の確率、ないほうに49%の確率で投票するとしたら投票率10%としても同票になる確率は 0.00001%です。 

1÷√(15000π) = 0.00460658865962 魅力が同じ時の確率
(0.49*0.51)/(0.5^2) = 0.9996 
pow(0.9996,15000) = 0.00247577866556 魅力が同じ時の確率と違う時の確率の比
0.00460658865962*0.00247577866556 = 0.0000114048939 求める確率

ちなみに何故投票率10%で計算したかというと投票率100%だと確率が低過ぎてどんな電子計算機を使おうが桁が足りなかったからです。概算したところでは1/(10^-30)ほどでした。