価値観の違いは価値を生む。
例えば物品Xの価値が甲にとっては100円、乙にとっては200円とする。
すると甲が自分で持っているXを乙に譲れば、実質甲は100円を失い乙は200円を得たも同然なので差し引き100円分の得になる。
もちろんこの場合は甲はXを譲りたがらないだろう。何故なら100円分損をするからである。
そこで乙は150円で甲からXを買い取るという手段を取る。
こうすれば甲は50円得をし、乙も50円得をすることになる。
これが売買というものの本質であり価値観の違いが価値を生む、言い換えれば個性が価値を生むということである。
これは能力に関しても同様のことが言える。
絵を描くでも何でもいいが得意な人と苦手な人ではかかる時間や出来が変わる。故に苦手な人は自分で何とかするより他人にやっててもらった方がよくなる。
世の中の取引というものはおよそ全てこれらによって(正確に言えば価値観の違いと価値の生産で)成り立っている。
極端な話、漁師が釣った魚を全て売らずに自分で食べてしまっても良いわけで、わざわざそれを売るのは釣った魚を自分で食べたときに得られる価値以上で売れるからというだけなのだ。